福知山市丹波生活衣館では、現在「銘仙と地絹展」が
開催されています。
銘仙と地絹は、大正後期から昭和にかけて
儀礼や正式の場以外に着る外出着や
おしゃれ着として着られていました。
銘仙は、古くから庶民が親しんできた絹織物で、
関東近辺の養蚕地で生産された二級品の縞織物が発展したもの。
全国に流通していたそうですが、
当時の女学生さんたちのおしゃれ心が、このような鮮やかな
色彩や柄の銘仙を作ってきたのだそうです。
地絹は、銘仙と同じように養蚕地の農家で屑繭で織られた
自家用絹織物で、大産地の製品に対し、各地方で生産された
白絹のことをいうのだそうです。
福知山市もかつては養蚕地で、
地絹の着物が織られ、娘の嫁入りの際にも、
丹精込めて織られていたそうです。
ただ、残念なことに。銘仙も地絹も
普段着が、着物から洋服に変わった戦後には、
ぱったりと姿を消してしまいました。
今回は、銘仙と地絹だけでなく、
養蚕の道具も少し展示されています。
80歳から90歳台の方は、娘時代の思い出を
また、その娘世代の60歳から70歳台の方にとっては、
お母さんの懐かしい思い出を
思い起こす展示内容です。
開催は5月31日までです。